FXを始めようと思う方々が最初に直面するのが「何を」「どんなふうに」「どのようにやればいい」こんな悩みだと思います。
ネットで検索すれば、なんだか難しそうな用語や知識の羅列で尚更気が滅入ってしまいそうになりますね。
そして中にはそれらのFXの専門知識や技術の習得を後回しにして相場に突然飛び込んでしまう方もいます。
はっきりと断言しますが、これはまずいです。
FXの分析ツールや手法を全く勉強せず当てずっぽうで相場に入るのは、(仰々しい表現ですが)目隠しをして日々道が変わる大都市を歩くのと同じと考えて頂いてもよいくらいです。
当然目隠しをしているので道はわかりませんし、雨が降っても傘もなく、車にもぶつかることでしょう。
FXを勘だけでやるのはこれと同じと思って頂いていいです。
ではどう勉強すればいいのでしょうか。まず何から覚えればいいのか。
今回の記事では、チャートを読み解いて実際に使うことができる基本的な手法を二つ解説します。
その他にも相場の値動きのメカニズムの原則等、これからのFXライフで重要になってくる知識は膨大にあるのですが、まずは抑えておきたいテクニカル分析の手法からスタートしていきます。
FXテクニカル手法の基本
テクニカル手法とは
FXには大別して二種類の分析があります。
テクニカル分析とファンダメンタルズ分析です。
簡単に説明すると
「テクニカル分析=価格や値動きのチャートの型やサイクルを基にした分析」
「ファンダメンタルズ分析=通貨に対応、関連した国の経済状況や金利、重要発言やヘッドラインニュースを基にした分析」となります。
株に比べればまだまだ歴史の浅いFXの世界ですが、本気でお金を稼ごうとしてきた先人達により、分析は大変奥深いものに発展し、今もなお進化し続けています。
一方で、「これを覚えれば必ず勝てる」といった超万能スキルは存在しません。
あくまでも「トレードの勝率を高める」といった認識を持つことをおすすめします。
1.三尊・逆三尊(ヘッドアンドショルダーズトップ)
三尊は、相場のトレンド転換を表すチャートパターンになります。
上記は典型的な三尊のチャートパターンになり、三尊の逆型が逆三尊と呼ばれます。
「こんなに綺麗に形成されるのか」と思う方もいるかと思いますが、相場参加者の「ほぼ全員」がこの型を意識してトレードしています。つまり、「偶発的にできる物ではなく」「人間やAIが創り出す物」という認識が大切です。
まず、上昇(下落)し、利確の売り(買い)が入って左肩を形成。
この時に下落(上昇)して反発した値が非常に重要な「ネックライン」です。
このネックラインが三尊形成の土台とブレイクの基準になります。
そこから再度上昇(下落)してヘッドを形成し再度下落(上昇)をし「ネックライン」で反発。その後反発して右肩を形成して、ネックラインをブレイクするというのが基本の流れです。
先ほど触れた、「人間やAIが創り出す物」という性質上、「騙し」にあう可能性もあります。右肩形成の段階でそのまま上昇(下落)していき、三尊(逆三尊)を否定してそのままトレンド継続するパターンです。
三尊形成の右肩トップで売りエントリーをするトレーダーは大勢いますので、その売りを損切りさせてさらに上昇の勢いを強める為に、大口トレーダーや機関投資家が仕掛けてくる場合もあります。あるいはそもそもトレンド継続で三尊のような形を作っただけ。ということも。とても怖い話ですね。
しかしここで大切なのが、「裏を返せば右肩を形成せずに上昇(下落)したら損切り」といった判断基準が持てることが分かりますでしょうか。
ここがテクニカル分析の重要性です。
冒頭で例えた目隠しの状態を逸脱して、「判断基準」を持って相場に挑むことが出来るのです。もちろん予想通りにいけば大勝利ですね。
2.ダブルトップ・ダブルボトム
ダブルトップ(ダブルボトムとは)チャートが高値(安値)にタッチして反発下落(上昇)してネックラインを形成。その後「直近の高値(安値)付近」で再度下落(上昇)して先ほどのネックラインをブレイクするのが基本の流れ。
こちらも大まかに言えば三尊と同じようなチャートテクニックです。
トレンドの転換を判断するのに重要な視点となり、冒頭に解説した「目隠し状態」では、ダブルトップが転換のサインであることに「気が付かず」二度目の高値付近で買いエントリーしてしまい、そのまま下落して大敗。ということにもなります。
しかし、もちろん反発せずトレンド継続してそのまま上昇(下落)することも大いにありますので、一つの「判断基準」としてしっかり習得しておきたいですね。
まとめ
この二つの型を覚えておくだけでも、何も分からない状態から一気に視界が開ける感覚があると思います。
相場に於けるトレンドを見極めるスキルは、勝つか負けるかに直結する最重要課題です。
そしてそのトレンドの終点を見極めるのももちろん必須スキル。
初心者で勉強意欲の高い方々は、小難しい用語や書籍解説に臆することなく、堅実に勉強して知識を習得していけば必ず身につけることができます。
そしてその先に「自分の得意なチャートパターン」を見つけ出せれば、相場で戦い続けることは十分に可能です。
「このパターンは下がるだろうけど、ネックラインをブレイクするまで様子見。」
「このパターンならトップからネックラインまでの値幅を取れる」こういった分析に基づいた思考で冷静にトレードしていきましょう。
又、こうしたテクニカル分析は原則として「長期足になればなるほど確度が高い」という点も理解しておきたいですね。もし月足や週足で型を見つけられれば、十分に信頼できる根拠になります。
他方、同じくらいに重要な認識が「テクニカルを過信し過ぎないこと」です。
先ほどお伝えした通り、テクニカル分析は相場参加者達の共通認識で創り出す動きであり、偶発的なものではありません。
従って、資金力がある大口によって裏をかかれることもあります。
加えて、もう一つのファンダメンタルズ要因によって相場が突然動きを変える可能性もあります。
今回ご紹介した三尊とダブルトップは、基本的なチャートパターンとなりますが、これらの根拠だけではなく、より複合的に、他の要素も加味した分析ができるよう、引き続き知識の習得を継続して頂ければと思います。